IHI・ものづくりの未来 「魔改造の夜」から考える IHI・ものづくりの未来 「魔改造の夜」から考える
IHI・ものづくりの未来

魔改造の夜
から考える

ネコちゃんのおもちゃ、電気ケトルを改造して競技に挑む、
前代未聞のものづくりプロジェクト「魔改造の夜」。
IHIは、そこで一体何を学んだのか?
参加者の言葉、社長による解題、そこから抽出された課題から、
IHIが見据えるべき「ものづくりの未来」を考える。

Machines| 魔改造が生んだもの

IHIのエンジニアが集結し、「ネコちゃんのおもちゃ」「電気ケトル」というお題に挑戦。
2つのチームが生み出した、それぞれのマシンをご紹介。

ブルーニャンパルス

[ルール]
ネコちゃんのおもちゃを魔改造し、25m走を行なう。
途中で高さ6mからの落下があるので、衝撃に耐えうること。
操作スイッチを押せるのは、スタートの1回のみとする。
ブルーニャンパルス
競技では、落下時の衝撃を吸収する機構が不可欠となる。ブルーニャンパルスは、その首の長さが放送中からSNSで話題となった。
ブルーニャンパルス
意匠班は、名前の元ネタとなった飛行機をモチーフとしながら、ネコのかわいらしさを最大限に活かすために、柔らかい素材をあしらったデザインをほどこした。
ブルーニャンパルス
裏側からは、ブルーニャンパルスの機構が顔をのぞかせる。カーボン3Dプリントジョイントを使い、モジュール形式で組み上がっている。
ブルーニャンパルス
走行の要となる「足」には、ヘッケンリンク機構を採用。10本の爪を組み合わせるため高い精度が必要となるが、精密加工を得意とする部署と連携し完成させた。
ブルーニャンパルス
制御をつかさどるセンサーとソフトウェアは、渋川文哉を中心に制作が進められた。渋川は普段の業務でも、自律走行車のコントロールなどに携わる。

スチームパンクビクトリー

[ルール]
電気ケトルを改造し、沸かした湯の蒸気や熱を動力に綱引きを行なう。
100V・1500Wの電源を使って2分以内に湯を沸かし、笛を鳴らすこと。
ロープを3m先に引っ張ったチームを勝者とする。
スチームパンクビクトリー
スチームパンクビクトリーは、綱を引く動力にボイラーを採用。明治時代に民間初の蒸気船をつくったIHIにとって、プライドをかけた改造だった。
スチームパンクビクトリー
あしらわれたアナログの計器やバルブ、断熱のためのアルミホイルと金色の配管のコントラストによる外観はまさに「スチームパンク」そのもの。
スチームパンクビクトリー
放送終了後も理想を追求すべく改良が続き、ボツ案だった「皇帝フランジ3世」という名前をコンセプトにモデルチェンジ。ちなみに、フランジとは部品の接合部のこと。
スチームパンクビクトリー
水が蒸気となり体積が膨張したことで生じる圧力が、ボイラーからエンジンに伝わり、綱を引く力を生む。一度発生した蒸気を冷やさない工夫にも余念がない。
スチームパンクビクトリー
力強く綱を引く雄姿を見せてくれたスチームパンクビクトリーだが、開発時には耐圧性能を重視した結果、規定時間内にお湯が沸かないこともあった。
スチームパンクビクトリー
十分に蒸気による圧力が高まっているかを測る計器。単に綱を引けるかどうかを確認するだけでなく、ボイラーが正確に作動しているかの安全確認も可能。

Review| あの夜が教えてくれたこと

長年の歴史のなかでものづくりに取り組んできたIHIにとって、「魔改造の夜」は初めての連続だった。
社内の声とともに、その影響を振り返る。
[座談]ぶつかった壁と向かうべき道
[座談]

ぶつかった壁と向かうべき道

プロジェクト発起人と
各チームのリーダーが語る勝負の裏側
[証言・記録]奮闘と、そこでまかれた種
[証言・記録]

奮闘と、そこでまかれた種

前代未聞のプロジェクトに携わった
メンバーの肉声と現場のリアル
[解題]「魔改造の夜」から始まる王道
[解題]

「魔改造の夜」から始まる王道

代表取締役社長・井手博が語る、
IHIが「魔改造の夜」に学んだこと

The Way| 浮き彫りになった課題

橋梁や航空機エンジンという重厚長大な製品を手がけてきたIHI。
「魔改造の夜」で明らかになった、今後のものづくりのために取り組むべきポイントとは?
[分析・課題]直面した5つの現実と今後のステップ
[分析・課題]

直面した5つの現実と
今後のステップ

「答えのないものづくり」が明らかにした
IHIの進むべき道

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本ウェブサイトに掲載のコンテンツに加え、プロジェクトのタイムライン、激戦を繰り広げた「Sニー」担当者の証言、IHIの技術開発本部を見守ってきた編集者・若林恵の論考を含む冊子版PDFのダウンロードはこちら。(25MB)