PROJECT

熱可塑性CFRPのリサイクル成形技術

あらゆる素材でリサイクルの社会的ニーズが高まる中,使用拡大が進むFRPにおいても再利用を前提としたものづくりが求められています。 IHIグループは、熱可塑性CFRP工程廃材を細かく裁断したチョップド材を用いた成形技術を開発しています。

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あらゆる素材でリサイクルの社会的ニーズが高まる中,使用拡大が進むFRPにおいても再利用を前提としたものづくりが求められています。 IHIグループは、熱可塑性CFRP工程廃材を細かく裁断したチョップド材を用いた成形技術を開発しています。

つくる責任を果たす

あらゆる素材をリサイクルする社会ニーズが高まる中、使用拡大が進むFRPにおいても再利用を前提としたものづくりが求められています。

IHIグループでは、製品の軽量化につながるソリューションの一つとして熱可塑性CFRPの材料開発や航空機部品などへの適用を積極的に行ってきました。
同時に、その製造工程で生まれる廃材を細かく裁断して「チョップド材」に変えて再利用するための技術開発に取り組んでいます。

Waste FRPが新たな製品によみがえる

このリサイクル方法は、廃材を細かく裁断するだけ。いたってシンプル。
CFRPから炭素繊維のみを取り出してリサイクルする方法に比べて、
コストを抑えつつ、炭素繊維を傷つけることなく活用することができます。

この方法を実現するためには乗り越えなければならない壁もあります。それは、安定した品質確保です。
IHIグループは、廃材からチョップド材を成形するためのシミュレーションや微細組織の見える化に取り組み、
従来難しいとされていた安定した品質確保が可能なリサイクル材の成形方法を明らかにしています。

FRP チョップド材

FRPリサイクル技術の開発をリードする技術開発本部の松倉はこう言う。

「材料のばらつきを抑える課題をクリアするために、様々な条件下で試験を繰り返して傾向を掴むことや、成形プロセス側で補える方法を考えることが純粋に楽しい。安定した品質確保とコストの両立は、あらゆるリサイクル材に共通する課題である。FRPでこの課題をクリアできれば、これまでリサイクルが難しいとされてきた他の材料にも活路を開けると確信している。今後は、この技術を世の中に発信することでリサイクル技術発展の一助を担うとともに、Waste FRPを新たな製品によみがえらせるサステナブルなものづくりを実現しながら『軽量化したい』・『複雑な形状のものを成形したい』というお客さまの声に応えていきたい。」


つくる責任を果たし、
その先でFRP材をつかうお客さまが繰り返し資源を活用できるような仕組みの構築を目指して
飽くなき挑戦は続きます。

プロジェクト担当者

IHI技術開発本部 技術基盤センター 材料・構造グループ 松倉 いづみ、古挽 彰、村田 祥
IHIエアロスペース 航空複合材プロジェクトグループ 秋元 豊晴
IHIエアロスペース 生産技術グループ 筒井 蕗、内川 翔太